建築学科主任 挨拶
新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。期待と不安の入り混じった気持ちでこの4月を迎えたことと思います。
みなさんがこれから深く関わっていく「建築」とは、狭い意味では建物を建てることですが、広い意味では、建物に限らず、我々の生活や活動の場、空間、環境を創造することです。みなさんは、この幅広い建築の分野で活躍する準備として、4年間をかけてその基礎を学ぶことになります。また、専門性を高めるために大学院に進学する道も用意されています。
建築には様々な要素が関わっています。例えば、窓一つとっても思いつくことはたくさんあります。眺望、採光。換気、通風。安全性、耐久性。防水、断熱、遮音。省エネ。防犯やプライバシー。広がり感などの空間印象。そして意匠。もちろん使いやすさも大事です。一つ一つの要素の背後には深い専門分野があります。要素の中には互いに相反するものもありますね。相反要素を調和させるバランス感覚や、全体を俯瞰して考える力も建築では重要です。
このように、建築では幅広く様々なことを考える必要がありますから、どこかにきっとみなさんの居場所が見つけられるはずです。 本学での学修を通して、様々なものに触れ、考え、現在のものの見方や捉え方をどんどん上書きしてください。多くの新たな視点を手に入れて、ご自身の「建築」に関わる想像力・創造力に磨きをかけてくれることを期待します。
建築学科主任 安田洋介