大学院建築学専攻運営委員 挨拶

2025.4.1

大学院建築学専攻への新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。

本学の大学院建築学専攻は、1971年に設置されて以降設立50年余を数え、この間の修了生たちは、それぞれ建築学の各分野において広い視野と高度な能力を持った技術者、研究者、設計者、あるいは企画者などとして、日本のみならず広く世界で活躍されています。

「建築」とは、狭い意味では建物を建てることですが、広い意味では、建物に限らず、我々の生活や活動の場、空間、環境を創造することです。このことを踏まえ、2025年度からは、2022年度に設置された建築学部のコースと連動するかたちで、構造分野、環境分野、デザイン分野、住生活創造分野、まち再生分野を網羅する多彩な授業および研究活動が展開されます。このように、学部の4年間で学んだ幅広い建築学の基礎を踏まえ、それぞれの分野でより専門性の高い学修を深めると同時に、より広い学際的な素養を身につけることができる教育課程が用意されています。

本大学院の学生たちは、授業を履修すると同時に、各教員の研究室における指導の下、主体的な研究を推進し、その成果を修士ないし博士論文として体系的にまとめることが最大のミッションとなります。また研究室で実践されている様々な活動に参加したり、自らの研究成果を国内外の学会や設計コンクールなどで発表したりすることも大きな学びとなるでしょう。さらに、世界各地の数多くの海外大学との派遣交換留学制度や、毎年夏に実施されている東アジア5大学合同のワークショップなどの多彩な国際交流プログラムを積極的に利用することにより、国際的な感覚を身に着けることも、グローバル化する社会で活躍するうえで大きな意義があります。

本学大学院での学修を通して、より深い知識と思考力を身に着け、現在のものの見方や捉え方をどんどん上書きしてください。多くの新たな視点を手に入れて、ご自身の「建築」に関わる想像力・創造力に磨きをかけてくれることを期待します。

大学院建築学専攻運営委員 安田洋介