2.免震構造 1)2)
免震構造は、一般に図―1に示すように建物基礎と上部構造との間に免震装置によって構成される免震層が設けられる。免震層の働きとしては、柔らかいばね特性によって構造物系基本周期を2〜3秒程度のやや長周期域に移すとともに、この部分に大きい減衰性を持たせて地震動による入力エネルギーを吸収し、その上部構造への伝達を低減させることにある。したがって、免震装置は上部構造の支持性能,柔らかいばねとしての変形性能と復元性能,さらにエネルギー吸収性能(減衰性能)が重要となる。現在多く用いられている免震装置は支承とダンパーに大別される。支承としては、@積層ゴム支承とAすべり支承があり、主として減衰性能を受け持つダンパーとしては、@履歴型とA粘性型がある。免震層により望ましい復元力特性を与えるために、これらの支承およびダンパーのそれぞれの特徴を組み合わせて免震層が構成される場合が多い。阪神・淡路大震災によって多数の建築構造物が大被害を受けたことから、近年免震構造に対する関心が急激に高まっている。
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